ルルカ ブログ

ルルカのぺちゃくちゃおしゃべり

過去の作品 ルルカのオリジナル超短編小説  大切なもの

 

女:返してください。大切なものなのです。返してください。

 

男:どうしてですか?あなたが私にくださったじゃないですか?

覚えていないのですか?

 

女:うそです。そんな事を言って私をだましているのだわ。

 

男:・・・もしかして、私達が愛し合っていた事さえ、覚えていないのですか?

 

女:愛し合っていた?バカな事を言わないでください。あなたみたいな男と私が・・・。そんなわけないでしょう?

 

男:あなたみたいな男とはどういう男なのですか?

 

女:私を、さも恋しそうに、さも愛おしそうに見る男です。

 

男:あなたは、あなたの大切なものを、あなたをさも恋しそうに、さも愛おしそうに見  る男にあげたのではないのですか?

 

女:ああ。そうです・。私は、あなたに私をあげたのです。でも、返して欲しいのです。私は、あなたのような方に、もらっていただけるような女ではないのです。

ひどい男になぐさみものにされるような女なのです。

 

男:いいえ。あなたは、大切にされていいのですよ。

幸せになっていいのですよ。

あなたの大切なものは、大切にされるべきなのです。