女:返してください。大切なものなのです。返してください。
男:どうしてですか?あなたが私にくださったじゃないですか?
覚えていないのですか?
女:うそです。そんな事を言って私をだましているのだわ。
男:・・・もしかして、私達が愛し合っていた事さえ、覚えていないのですか?
女:愛し合っていた?バカな事を言わないでください。あなたみたいな男と私が・・・。そんなわけないでしょう?
男:あなたみたいな男とはどういう男なのですか?
女:私を、さも恋しそうに、さも愛おしそうに見る男です。
男:あなたは、あなたの大切なものを、あなたをさも恋しそうに、さも愛おしそうに見 る男にあげたのではないのですか?
女:ああ。そうです・。私は、あなたに私をあげたのです。でも、返して欲しいのです。私は、あなたのような方に、もらっていただけるような女ではないのです。
ひどい男になぐさみものにされるような女なのです。
男:いいえ。あなたは、大切にされていいのですよ。
幸せになっていいのですよ。
あなたの大切なものは、大切にされるべきなのです。